甲状腺外来

甲状腺疾患について

甲状腺は前頸部にある内分泌臓器で、甲状腺疾患は、大きく自己免疫性の疾患と腫瘍性の疾患に分類されます。自己免疫性疾患の代表的なものにバセドウ病(甲状腺機能亢進症)と橋本病(甲状腺機能低下症)あります。どちらも、甲状腺のホルモン分泌異常が疾患の本質です。腫瘍性疾患には、過形成、良性腫瘍、悪性腫瘍(甲状腺がん)があります。過形成、良性腫瘍は、腫大が大きい場合は手術を行うことも有りますが、それ程大きくない場合は、様子を診ることが多いです。ただ、過形成や良性腫瘍の一部に悪性変化が含まれる場合があり、注意深い経過観察がとても大切です。甲状腺乳頭がんは、非常に頻度の高い悪性腫瘍で、ある研究では、詳しく調べてみると、70歳以上の女性の約5%に甲状腺乳頭がんが認められました。進行が非常に緩徐な場合が多いことを表していますが、早期発見が何より重要なのは、他の臓器のがんの場合と同じです。

甲状腺疾患が疑われる症状は、甲状腺ホルモン分泌異常に伴う、イライラ、不眠、発汗過多、動悸、眼球突出、だるさ、浮腫み、気力低下、疲れ易さなどがあります。また、前頸部違和感や嚥下時の異物感などがきっかけで甲状腺疾患が発見される場合も数多くあります。検査は、甲状腺ホルモンや自己抗体の有無を調べる血液検査、甲状腺超音波検査(エコー検査)、咽喉頭の内視鏡検査を行います。場合により、CTやMRIの画像検査が必要になります。甲状腺疾患では、検査結果の数値に拘泥せず、患者さんのご年齢や症状の程度に応じて柔軟に治療方針を検討することが必要です。
過去に多くの甲状腺疾患の診断、手術を行って参りました。甲状腺に関する疾患についてご不安な方は、お気軽にご相談下さい